スピラトーン 18mmF3.5 の写り
2011年 12月 24日
むかし、レンズメーカー製の超広角レンズは使えないという話しを 良く聞きました。
わたしが始めての超広角レンズを手にしたのは
1980年代始めのコシナ20mmですが コシナはそんなに悪いレンズとも思いませんでした。
大きな歪曲収差と 逆光に極端に弱かったですけど。
最近、1972年製のスピラトーン・ネームの シグマ18mmF3.5を手に入れましたので
その試し撮りをしてみました。
1972年と言えば、わたしが働き出した年で もう40年前になります。
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Spiratone YS 18mm F3.5
日本のシグマがOEMで造った、スピラトーンの18mm F3.5 とはこんなレンズです
全金属製の鏡胴はずっしりとして ねっとり回る距離リングとともに 高級感があります
単層膜コーティングの反射の数から判断して きっと7枚か8枚構成だと思います
距離や絞り目盛りは、彫りは浅いですが ちゃんと彫りこまれております
最短撮影距離は17cmで 寄れます
フィルター径は72mmと大きいのですが、フィルターが 丸く飛び出した前玉と干渉しないように
また 画面隅がケられないように ステップアップリングを嵌めたようなラッパ型になっています
絞りは開放F3.5からF22ですが、YSマウントはニコン用で F5.6に黒い連動爪が付いています
ニコンの連動爪の黒いのは はじめて見ました
YSマウントとは、シグマの山木社長から取った 「山木システム」の略で 「YS」と名付けたと 読んだことがあります
タムロンでいう 「アダプトール」みたいな、各社マウントに交換可能なマウントでした
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焦点距離20mm以下のレンズたち
わたしの 焦点距離20mm以下のレンズたちです
左から
1999年製 Voigtländer (コシナ) Heliar 15mm F4.5
1980年頃 Cosina (コシナ) Wide Angle 20mm F3.8
1972年の Spiratone (シグマ) YS 18mm F3.5
2005年の Sigma (シグマ) EX 10-20mm F4-5.6
右端の シグマ10-20mmは ズームで AF駆動用モーターが入っているので大きいのは判りますが
左端の コシナのコンパクトさに驚きます、やはり一眼レフのレトロフォーカスはデカくなるんですねぇ
ところで、なぜ米国の機材商社のスピラトーン(Spiratone)18mmが シグマ製だと判ったかということですが
製番の Σ-721002585と、レンズキャップのロゴで判るのです
シグマの 「Σ」 印しが入っております
SIGMA Mark 1
ペンタ部の 「Σ」のロゴマークをご覧ください
シグマは レンズメーカーですが カメラも造っています
この写真は 珍品の シグマ マーク1で
富岡光学の トミノン 21mmF3.5 付きです
【写真はインターネットより】
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Spiratone 18mm F3.5 on D700
D700に ハメてみました
いひひひ、かっこええです
さあ、写真に行ってみましょう
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あかん
絞り開放で 最初の1枚です
あかん (涙)
中央のペンタックスSLにピントを合わしたら
周辺光量不足の四隅が ぼんやりボケております
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たな
絞り開放で カメラ棚を撮ってみました
歪曲収差は18mmにしては 極小のタル型ですが
とにかく 周辺が甘いです
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家の裏
無限遠ならどうだと 開放で撮りました
わたしは 超広角レンズで四隅が周辺光量不足で暗くなるのは かまわんのですが
これは ちょっとひどいようですね
歪曲収差は ニコンのAi AF ニッコール20mmF3.5よりだいぶマシです
Ai AF ニッコール20mm、持ってないけんど
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近接はどうだ
最短撮影距離付近です、開放で ニコマートELを撮ってみました
画面中央の画質はええけど 画面上下は流れています
右上の流れは なんじゃコレ
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すね寝のコムギ
やはり 中央の眼の部分はええけど 左上の布は流れています
コムギ、すまん _| ̄|〇
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クリスマスのカフェ
「家の中で撮ってるのでアカンのだ」 と 外へ
176号線沿いのカフェです
距離1m、絞りF8 だけが オレンジ色になっています
よし、それで撮ったらええのか
このレンズ、非Aiですので Mマークに合わさないと絞られないようです
結局、距離1mで絞り開放で撮ったことになり この写真にはピントがありません (;。;)
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市役所のわんこ
そんなわけで、絞りF8にして撮った1枚目です
うん?
「本当に絞りF8かぁ」
F8まで絞っても なにも変わらんです
いやっ、きっとこれも開放で撮ったのでしょう
写真も下手くそやし
もっと近づきたかったけれど 植木があって近づけませんでした
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府営桜塚住宅
これは F8で撮っております
この団地、1972年製と書いてあります
おいっ、スピラトーンよ
君と同い歳だよ~
まだ四隅が暗くなっておりますが 最近のシグマ10-20mmズームよりマシのような気もします
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ちょうちん
F8で 特には破綻のない描写ですね
と、思ったけれど 左上の電線の色収差がひどいです
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■ 2011年12月23日 & 24日撮影
■ 1~2枚目 Micro 60mm + D700
■ 3枚目 Micro 60mm + D80
■ 4~12枚目 Spiratone 18mm F3.5 + D700
■ 絞り 開放 & F8
■ ISO 400~1250
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やはり むかしの人の言ったことは当たっておりました
「40年まえのレンズメーカーの超広角は使えない」です
・解像力不足
・周辺光量不足
・周辺の流れ多し
・色収差多し
現代のシグマ10-20mmをD80に付けて 何も考えずに撮ったほうが数段きれいに撮れます
でも 40年前の超広角の歪曲収差の小ささだけは目を見張るものがありました (^^)
5の棚、きれいに整理整頓されてますね〜
これだけの食器棚の中がカメラやレンズで埋め尽くされてると、
眺めてるだけでも楽しいでしょうね…
棚の上の空箱も全部残されてるんですね…
山口もめちゃくちゃ寒くて私は毛布にくるまって震えております(笑
こんなレンズもあったんですね。
nakajimaさんのブログにお邪魔するようになってびっくりすることばかりです。
周辺減光と流れも味かなと思います。
中央部はシグマらしくシャープですね。
>・周辺光量不足
>・周辺の流れ多し
>・色収差多し
まぁまぁ^^; 言い出したらキリがありませんよ。
ただ、自宅内で撮った写真は特に酷い感じですね。
まるで露光間ズームでもした感じです。
面白いモノを見せてもらいました。
5枚目の棚、以前にも言われたことがあるのですが これは食器棚でしょうか?
わたしは本棚かと思っているのですが
ガラス扉が付いていますので、カメラやレンズの保管には ホコリが少なくてええです。
でも実際は 奥のほうは ホコリだらけです。
空箱ですか?
デジタルカメラになって、充電器以外にも 接続コードやCD-ROMなどいろいろ付いています。
カメラ、バッテリーと充電器以外は 空箱でお寝んねで~す (^^)
はいっ、豊中も寒くなりました。
コムギの散歩も 寒いので短くなっております。
スピラトーン18mm、丁寧に造られた鏡胴と 堂々とした前玉なんですが
写りは イマイチどころか イマサンかイマヨンでしたぁ~ (;。;)
そうなんです、周辺光量不足や 周辺の流れは現代レンズにもありますが
このスピラトーン18mmは 解像力に広角レンズの切れ味がありませぬ。
いやっ、周辺光量不足・周辺の流れ・色収差は あってもええのです。
でも解像力不足は マイッたです。
画面のどこか、ピントが合っているところだけでも ピシッとしていれば (;。;)
でも、歪曲収差の少ないところと フレアーやゴーストの無いところは
現代のレンズよりもええかなぁ~ ← えへへ、負け惜しみで~す (^^)
中古屋さんのペンタックスのスクリューマウントの棚に、
スピラトーン銘の手ごろなレンズが時々ころがっていますが、
シグマ製のレンズもあったんですね。
7、のクッキリしたニコマートの隅の流れ具合は独特ですね。
人によっては古レンズの味だとか言われるかも?
はいっ、スピラトーン銘のレンズは ヴィヴィター(Vivitar)銘とともに
1970年代には、米国の有名な撮影機材の商社の1社だったですから 良く見かけますね。
スピラトーンはシグマ製が多いですが 他のレンズメーカー製のレンズもスピラトーン銘で売っていました。
7枚目のニコマートの左上部は、ギョッとして頂こうとアップしましたが
良く見ると、鏡胴の先端・前玉エレメント・Nippon Kogakuの文字が 流れながらも読み取れます。
えへへ、四隅の流れは このレンズの味です ← と、言うことにします (^^)
40年前のレンズですか・・・・・
40年前のレンズを通った光をデジタルで写し出すってのが、それだけで神秘ですなあ。
オモロイ遊びですなあ、いつもながら。
しかしそう思うとデジタル技術というのは中高年及び中高年レンズに再び光を与えてくれるって事ですねえ。
ええ、そうなんですよ 40年前のレンズがデジタルで復活です。
当時は 赤貧でカタログをながめて ヨダレを垂らしていたレンズたちを
数十年経ってから、新品同様品を海外から安す~く手に入れ デジタルで撮ってみる。
こりゃあ おっしゃる通り、写りの良し悪しはどうでも良くなり 使えるだけで神秘です。
はいっ、ほんとにオモロイ遊びで まさにデジタルさまさまです。
銀塩フィルムでは、新レンズでも古レンズでも 1日で36枚も撮るは撮り過ぎでしたものね (^^)
電線の収差があえてこう雰囲気だしてますわん。
いつかnakajima写真商会の棚をなめさせていただこうかと、
狙っております。まずはわんこをどう手なずけるかで、
我が家もわんこを飼いましてん。
来年はそうそうに36MPのD800でっせ。いってくらい師匠様。
棚に並んだカメラやレンズはまるで中古カメラ屋さん。(笑)
どうしてこんなに集めたいのか私にはわかりません。
私は後の管理ができないから・・・
なかなか会えそうで会えませんが・・・
いい機会があればと思っています。
えへへ、写りの悪い かっちょええスピラトーンでした。
撮った写真は どれも腕の無さがあらわれております (涙)
nakajima写真商会は、仕入ればかりで 売り上げがありませんので
どうしようかなぁと思っています (^^)
ココちゃんでしたね
たまにココちゃんのアップも お願いしま~す
D800? 36MP?
わたしにはD700の12MPでも大き過ぎて、D70やK100Dの6MPが ちょうどええです。
D700s が、 12MP据え置きで 800g以下なら考えま~す。
いやっ、集めようと思って買ったのではありません。
むかし赤貧だったころに ヨダレを垂らしてカタログだけを見ていた機種が ちょっと一杯飲むお金で買えるようになり
つい懐かしさに負けて買っていたら いつのまにか増えてしまったのです。
レンズは デジタルで使っています。
カメラは もうフィルムで撮ることはないかもしれませんが いじくってやっております。
きっと そのうちに会えるでしょう (^^)
新しく手に入れたスピラノドンとか言うレンズのテスト
撮影ですね(笑)。もう何度もレンズのテスト撮影は拝見
しておりますが、Nakajima Blog の真骨頂はこの
時に在り、ですね。
今回は12枚目に惹かれました、基本的に写真の持つ感性に
引かれる私はこの赤提灯の灯りと「おでん」の字に惹かれる
のであります。
来年も本年同様よろしくお願いいたします。(^^)
スピラノドンとは よい怪獣の名前ですね、気に入りましたです (^^)
12枚目に惹かれて頂き ありがとうございます。
わたしは、古レンズのデジタル試写の場合 写真の持つ感性よりも
そのレンズの描写特性を気にします。
新しいレンズ(殆ど持っておりませんが)で撮る場合は
感性いっぱいの写真を撮りたいとは思っているのですが
撮った写真は 古レンズで撮ったときと なにも変わりませ~ん (涙)
今年も いろいろありがとうございました。
来年も よろしくお願いいたします。
スピラトーンは、シグマをはじめ 日本のレンズメーカー製の色々な特色のあるレンズを
OEMで自社名で造ってもらっていた会社でしたねぇ。
スピラトーンの135mmF1.8は どのメーカーが造ったかは判りませんでしたが
さすがF1.8の明るさの堂々としたレンズで、わたしはカタログを見てヨダレを流しておりました。
このシグマOEMの18mmF3.5は いろいろ弱点・欠点はありますが
歪曲収差の少なさは 現代でも通用する描写だと思っています。