サン Sola 90mmF4 のこと
2013年 02月 09日
古い写真ファンでも サン光機の Sola(ソーラ)90mmF4を憶えているかたは 数少なくなって来ているでしょうね。
「いいや、わしはサンのズームレンズを使っとったよ」と おっしゃる年配の方でも
「サンのソーラの90mmの単焦点ですよ」 と言うと 「???」でしょう。
サン光機は、1960~70年代に コムラー(三協光機)、コミナー(日東光学)、タムロン(泰成光学)、
トキナー(東京光器)などと競争して 純正に比べて安価な交換レンズを造っていた 古いレンズ専門メーカーでした。
しかし今回のサン ソーラは その頃の話しではなく、もっと古い話しです。
上代 斎(かじろ ひとし)氏が 念願であった上代光学研究所をつくったのは 1939年(昭和14年)のことでした。
あのオリムパス・シックスに K・O・L ソーラスペシャル75mmF3.5が採用されたのが 1940年(昭和15年)でした。
K・O・L とは Kajiro Optical Laboratory の略で、ソーラレンズのルーツは この時代にまでさかのぼるのです。
第2次世界大戦のあと 上代光学研究所はサン光機と社名を変更し
サン光機から サンレンズ、ゴトー(後藤)サンになって 1984年(昭和59年)に倒産してしまいました。
わたしの サン ソーラ90mmは、1955年発売のエキザクタ VX(バレックス VX)に ボディキャップ代わりに付けられ
フロリダから送られてきました。
この サン ソーラ90mmF4は エキザクタ用交換レンズとして 1950年代に欧米に輸出されたものと思われます。
eBay の商品写真とその説明では、エキザクタVXが大きく写っていて サン ソーラは説明も無く おまけ扱いでした。
でもわたしは サン ソーラが欲しい一心で エキザクタ VXのボディがおまけだったのです。
ああ、それなのに ・・・
1
サン ソーラ90mm
サン ソーラ90mmF4を エキザクタVXに付けて
う~む、かっこええ
2
ビスが飛び出している
フィルター枠の先端がちょっと痛んでおりますが これぐらいならええです
絞りはF4からF16までスムーズに動きます
フォーカスリングは ・・・ うん? 動かない?
なんでかと良くみると 大きなビスが飛び出してます
う~ん、このビスが原因かと ビスをねじ込んでも やはりフォーカスリングは動きません
ビスが内部の溝にはまっていないのではと 一度ビスを外しても フォーカスリングは回りません
ビスを外しても回らんちゅうことは グリスが完全に固まって接着剤になっているのでしょうか (;。;)
しくしく、フォーカスリングの目盛りを見ると 8フィート付近で固まっています
しくしく、時間をかけて ゆっくり治すことにします
3
丁寧な造り
真鋳製で ずっしりと重く226gあります
60年近くむかしのレンズにしては 綺麗です
安物レンズが多かったサン光機製とは思えない丁寧な造りです
ずっとむかしのサンは 安物レンズは造らなかったのでしょうか
4
3枚玉
レンズは コーティングの反射から 3枚構成と判ります
前玉は 割りとキレイです
コーティングは シアン系で劣化はないようです
90mmF4で3枚構成ちゅうと ライツのトリプレットエルマーがあったし
105mmF4なら 日本光学の マウンテンニッコールが3枚玉だし
135mmF4では カールツァイスの トリオターも3枚玉でした
良く写りそうな感じです
5
大きさ較べ
大きさが判るように AFニッコール50mmF1.4Dと並べてみました
えへへ、細くて可愛いいです
もともと ライカのレンジファインダー用のレンズだったとか読んだ記憶があります
これでフォーカスリングが回っていたら、しくしく
6
Sola
サン ソーラ90mmF4を マウントアダプターを介して Lumix G3にハメています
8フィート写真を撮るつもりです
ところで Solaってなんでしょうね
Sun(太陽)光機の Solar(太陽の)レンズ、お陽さま会社のお陽さまレンズ でしょうか
60年近く昔の フォーカスリングが固まったレンズの Solaの文字にピントを合わせてみました
さて サン ソーラ90mmの写りは どんなんでしょう
7
ニッパーと ぐちゃぐちゃと
本棚の上の ぐちゃぐちゃ達のなかの ニッパーの眼ねらってみました
G3で撮ってますので 180mmF4になってます
すこし青みがかって 電車の赤い色が暗く写っております
フレアーは少しあるでしょうか
キリッとした写りとは言えないようですね
■ Sun Sola 90mmF4 on Lumix G3
■ 絞りF4開放
■ シャッター速度 1/125秒
■ ISO2000
8
たそがれの エキザクタVX1000
フォーカスリングが8フィート(2.4m)で固まっていますので ジリジリ下がりながらピントを合わせています
狭い部屋なので ドアを開けてまだ下がってパチリです (;。;)
フォーカスリングが回ったら 最短撮影距離は3.5フィート(1.05m)なのにぃ
■ Sun Sola 90mmF4 on Lumix G3
■ 絞りF5.6
■ シャッター速度 1/100秒
■ ISO3200
【注記】
ビシッと撮りたいと思って 絞りをF5.6に1段絞ってみました。
Lumix G3の MFアシスト5倍を使っています。
F5.6でもEVFファインダー像は自動ゲインアップで明るいのですが
3枚玉の影響でしょうか なぜかファインダー像がキリッとせず
ジャストピント位置が良く判りませんでした。
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■ 2013年2月8日撮影
■ 1 ~6枚目 Micro 60mmF2.8D on Nikon D700
■ 7 & 8枚目 Sun Sola 90mmF4 on Lumix G3
■ 絞り優先オート 絞りF4開放 & F5.6
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レンズ専門メーカーのシグマやタムロンが レンズに名称を付けなくなってしまったいま
サン ソーラと 誇らしげに名乗っていた昔のサンが 太陽のように輝いています
上代 斎さんも 草葉の陰で喜んでおられるでしょう
サン光機の Sola(ソーラ)90mmF4なんてまたまた私の知らない
お名前が出てきましたあ!!
と言っても元々ニコン、キャノン、ペンタックス、ミノルタのように
メジャーなものしか知らないのですが。(笑)
エルマー90mmや友人のコムラノン90mmもそうですが、
このレンズも鏡胴がかっちょええですね。
細身でびしっと締まった容姿は肥大化したレンズにはない魅力がありまーす。
写りは本来のものではないのかもしれないですね。
だれも知らないような 安物のレンズで遊ぶのが好きなんで~す。
このサン ソーラは、ライツのエルマー90mmF4を真似て造ったんじゃないかと思います。
描写は 全然似ておりませんけど。
そう言えば鏡胴は一眼レフ用でなく レンジファインダー用の容姿ですね。
いちど分解してみます。
大メーカーの有名レンズや最近のレンズは みな良く写りますけんど
あまり面白みの無い写りばかりで もう飽きてきましたよ~。
そうですねぇ、古いレンズは 軸が狂っていたりして 本来の写りでないものも多いでしょうね。
わははは、aitoyuuki さんも 「いいや、わしはサンのズームレンズを使っとったよ」組の おっさんですね。
わたしの憶えているサン光機も 安物ズーム専門のようなメーカーでしたが
1967年のカメラ綜合カタログを見ますと
1000mmF4.5という 世界で一番明るいレンズを造っておったようですよぉ (^^)
ルミックスのシルバーのボディの同色の鏡同がカッコいいです。
ピントリングが周らないので前の持ち主もビスを緩めたのでしょうね。
ピント固定に比べたら、まだ絞り開放のままの方が使いやすそうです。
流石にこの時期のサン光機については記憶がありませんです^^;
ええ、小さくて細くてズッシリで なかなかカッコええです。
はいっ、そうだと思います。
絞り羽根が固まってしまったレンズを数本持ってますが これらは まだ使えます。
でも フォーカス2.4m固定ちゅうのは なんともツライです。
わたしも サン ソーラ90mmを実際に触るのは初めてでした。
ところが ピントリング回らずで、その落胆は言葉に言い表せません、しくしく (;。;)
こういうレンズを見ると腕がムズムズしてきますね。
マウント側から分解していけばなんとかなりそう・・・
といっても、私の修理技術はたいしたことはないです。
分解してたらレンズが転げ出てレンズの表裏がわからなくなったとか
組みなおしたらなぜかネジが一個あまってしまったとか。
うまく修理できたときの喜びは何事にも代えがたいです。
いつかは挑戦されるのだろうと思いますが、成功を祈ります。
ごぶさたしております _| ̄|O
わたしも 今まで数本のレンズを分解修理していますが全敗です。
うまく修理できたかと思ったズミタールの絞りは やはり動かないままだったり
5mぐらいまでしかピントの合わなかったテッサーは どこにもピントが合わなくなりました。
1本だけ 鏡胴がガタついていた ミランダ50mmはうまく治せた気になっておりますが
撮った写真はシャッキとしません。
このサン ソーラ90mm、今しばらくは 2.4mだけにピントが合うレンズとして
大事に使ってやりたいと思っております。