アトムレンズの黄変除去
2015年 08月 07日
1960年代、レンズエレメントに放射性物質の酸化トリウムを含んだ新種ガラスを使った
いわゆるアトムレンズが多くのメーカーから発売されました。
アトムレンズの比較では、旭光学のスーパータクマー50mmF1.4が 放射線量の多さでは日本チャンピオンですが
含トリウムレンズの特徴であるレンズ黄変のすごさでは ミノルタのMCロッコールSI 28mmF2.5が
日本チャンピオンでないかと思っています。
カメラに付けてファインダーを覗きますと Y2フィルターを付けたのではないかと思うほど
真っ黄色な世界になります。
「MC ロッコール SI 28mmF2.5 試写」に その黄色い世界が見れます。
ところで本題です。
酸化トリウムによる黄変レンズは 紫外線で黄色を除去できるのです。
八百富さんの実験結果です。
1
日光浴
真夏の強烈な太陽光線には 紫外線がふんだんに含まれています。
MC ロッコール SI 28mmF2.5 は、酸化トリウムを含んだエレメントは後玉から2枚目らしいので
マウントを上にして太陽光線を浴びせております。
紫外線滅菌器などを使うと 黄変をもっと速く除去できるようなのですが
雨が降らないか、ほこりを被っていないか、ちょっと黄色さはましになって来たか等と
ボチボチ楽しみながら除去する真夏の日光浴法で 暑さを忘れている今日この頃です。
今5日目ですが こころなしか黄変がましになって来たように思えます。
■ 2015年8月6日 ■ FE 28-70mm on Sony α7
2
むすこ
えへへ、1985年3月のむすこの写真が出てきました。
7ヶ月で やっと座れるようになったときです。
■ 1985年3月 ■ Ai-S Nikkor 50mmF1.8 on Nikon F3 ■ Scanning with Canon MG5430
アトムの黄色の変色をを取り除くのにそんな方法があったんですね。
黄色くなった初代ズミクロンに手を出そうか迷っていたとこなので、
手を出したくなってウズウズしてきました(((o(*゚▽゚*)o)))
はいっ、紫外線でアトムレンズの黄変を除去する方法は意外と知られており
海外・国内に文献や資料などがいっぱいあります。
黄変レンズを分解して黄変エレメントだけを取り出して
それを紫外線発生器の中に置くと 数時間程度で黄変が取れます。
ただし初期のズミクロンや ライツ製レンズは、エレメント組み立ての際に「玉押し」をしている可能性がありますので
レンズは分解しないほうが良いと思います。
玉押しとは、レンズ光軸を正確に合わせるため 1枚1枚光軸を見ながら組み立てる作業のことです。
黄変ズミクロンを入手されたら わたしみたいにレンズは分解しないで日光浴で黄変を除去してくださいね。
だいぶ時間はかかりそうですけれど。
それと、紫外線が有効なのは 放射性物質を含んだエレメントの黄変だけであり
いわゆる「コーティング焼け」の黄変には無力であることを付け加えておきます。
そうですねぇ、酸化トリウム入りのレンズは 解像力が良いように思います。
でも、酸化トリウム入りのレンズでも キヤノンFL50mmF1.8のように
いくら待っていても黄変しないレンズもあって どんな場合に黄変するのかよく判りません。
今日も午前中はお天気が良かったので ロッコールSI 28mmF2.5を日光浴させたのですが
まだだいぶ黄色い色が残っており もうこのへんが限界かなぁと思いました。
そのうちに ソニーα7に付けて撮ってみたいと思っています。
ご存知かもしれませんが、FL50mm/1.8は(Ⅰ)と(Ⅱ)があり、(Ⅱ)には酸化トリウムが入っていません。
我が家の(Ⅰ)は全て黄変してます(笑)でも真っ黄色ではなく薄茶色程度です。
含有量の違いでしょうか?私もよく分かりません。
琥珀色のレンズに惹かれるので、私は更に熟成が進むように放置してあります(笑)
はいっ、わたしのFL50mmF1.8も A/Mの切り替えがない酸化トリウム入りの初期型ですが
なぜか いくら待っていても黄変しないのですよ。
まあ、この当時のレンズですので 同じレンズでも酸化トリウムのエレメントを使っていない
初期型があるのかも知れませんが。
わたしのFL50mmF1.8は、1964年からのキヤノンFXに付いていたレンズで
レンズのシリアル番号は No.93086 です。
想桜さんのFL50mmは もっと古いシリアル番号でしょうか。
話は変わって、わたしはプラスティック多用のFDレンズよりも
真鍮か砲金製の鏡胴のFLレンズのほうが う~んと好きなのですよ ♪♪♪
日光浴とはびっくりです。
大分時間はかかりそうですが何処まで回復するか楽しみですね。
30年前の息子さんのお写真、よいですねえ~!
ピントもお目目にバッチリ、流石でございます。
このロッコール28mmF2.5は、日光浴半日で少し黄変がマシになったように感じました。
が、それ以降は 黄変の除去が進んでいないように思います。
やはり、黄変エレメントを取り出して日光に当てるか 紫外線発生器に直接当てる必要があるのでしょうか。
と言いながら お陽さまが照りだすと、ほこり防止のサランラップをかけて日光浴を続けております。
座れるようになったむすこの写真、サービス判プリントを安物のプリンターでスキャンしております。
「どんな動物でも眼をねらって撮る」を バカの一つ覚えで実践しております。