ミノルタ35 IIB ゲット
2015年 08月 21日
いひひ
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いひひ
1958年の千代田光学製のライカスクリュー型(バルナック型)の最終機 ミノルタ35 IIBを手に入れました ♪♪♪
1958年当時「ミノルタ」はカメラのブランド名であり 会社名はまだ千代田光学だったのです
ミノルタが会社名になったのは1962年からです
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正面
なんでそんなに喜んでいるのかという質問ですか?
それは ミノルタ35の最後を飾る57年もむかしの銘機が 新品同様で手に入ったからです
クロームメッキの美しさをご覧ください
「名機」と書かずに 「銘機」と書いた理由は
名機: 仕様などが立派で 非常に優れた機械
銘機: 人々の記憶に残るような機械
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左ななめ前より
2軸回転式シャッター速度リング、1/500秒までのシャッター速度、ブライトフレームの無いファインダーなど
仕様は 自慢できるものではありません
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右ななめ前より
1958年というと、キヤノンVIとか ニコンSPなんかがもう発売されていて
それらのスペックは バルナック型ライカのⅢfをはるかに超えていたという人がおられるでしょう
それは その通りなんです
しかし 日本製の35mm距離計連動型カメラのデザインは
キヤノンがバルナック型ライカに似せたデザインで ニコンはどう見てもコンタックスの真似としか思えないデザインでした
そんななかで 千代田光学のミノルタ35は 1948年(昭和23年)の I 型発売以降
一貫してライカやコンタックスとは異なる 独自のデザインを押し通してきたのでした
やはり真似されるのは気分の良いものではありませんので
1972年に ライツは日本の技術提携の相手に ミノルタを選んだのではないでしょうか
たとえばミノルタはフォーカルプレーンシャッターに ライツとは異なる4軸シャッターを使用し独自路線を歩んでおりました
ライツとミノルタは技術提携の翌年の1973年に ライカCLとライツミノルタCLを世に出します
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閑話休題:1949年の広告
1949年の雑誌アルスカメラの広告です
1948年(昭和23年)に発売された 初代のミノルタ35です
この当時は 単に ミノルタ35と呼ばれています
後年になって海外では次のように紹介されています
ミノルタ35は 1947年から1958年まで造られ 9タイプのバリエーションがある
ミノルタ35-I型は A型からD型まで絶え間ない発展が見られたが それを各型について述べるのは難しい
それは 各型のモデル名がボディに記されていなかったためである
言わば、仕様変更は切れ目のないシリアル番号を通じて 「ソフト」に紹介されていたのである
ミノルタ35-E型から モデル番号がカメラに刻印されるようになった
【写真はインターネット camera wiki-org より】
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底面
底面はシンプルです
三脚止めネジ穴と 大型ノブの裏ブタ開閉装置だけです
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裏ブタを開けて
なにも珍しいものはありません
使った形跡がほとんどありませんね
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フィルムカウンター
上面に戻ります
右から 巻き上げレバー、A/R切り替えレバー、シャッターボタン、シャッター速度ダイアル
アクセサリーシュー、巻き戻しノブ
いたって普通のならびですが 一箇所だけ???と思われるところがあります
それは フィルムカウンターです
目盛りが40枚まであるでしょ
そうなんです、これは初代ミノルタ35から連綿と続いた日本判フィルムフォーマットの名残りなんです
24x32mmの日本判から 24x33.5mm それから24x34.5mmになり、やっとIIBで ライカ判の24x36mmになったのです
でも ミノルタ35 IIBになって初めて 24x36mmのライカ判になったんだから 36枚の目盛りにしても良かったのにぃ
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ライカ IIIf と
ライカ IIIf と並べて記念撮影です
背はミノルタ35 IIBが高いけれど 横幅はライカ IIIfより短く見えます
クロームめっきの美しさは いい勝負といったところです
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干渉
これまでミノルタ35 IIBの美しいところばかりを撮ってきましたが 弱点を書きます
ミノルタ35で ボディマウント内の遮光板にレンズの最後尾が干渉して 交換レンズを最後までねじ込めないという問題は
ミノルタ35IIBでは解消されておりましたが まだレンズ交換の問題は残っていました
古いライツ製レンズや日本製レンズなどで 距離リングに無限遠ストッパーがあるレンズや
古いロシア製レンズなどで 距離リングを回転しやすくするレバーが付いているレンズでは
レンズ交換時に セルフタイマーレバーや低速シャッターダイアルと干渉するものがあるのです
セルフタイマーレバーとの干渉は、セルフタイマーレバーをオン側に倒して交換すると干渉は避けられます
写真は、ライツの ズミタール50mmF2 を ねじ込んでいるところですが
無限遠ストッパーがマウント面から離れた位置(写真の上側)にあり 干渉は問題ありません
ところが、ライツのズマロン35mmF3.5はコンパクトですので 無限遠ストッパーがマウント面近くにあり
セルフタイマーレバーの盛り上がり(赤三角)と干渉しますので セルフタイマーレバーを左側に倒してねじ込みました
対象となるレンズを ミノルタ35 IIBに付けて検証してみました
結果は以下のとおりでした
ライツ製ズマロン35mmF3.5 : セルフタイマーレバーと干渉、レバーON位置で 干渉なし
ライツ製ズミタール50mmF2 : 干渉なし
キヤノン製キヤノン50mmF1.8 : 干渉なし
コシナ製カラースコパー 35mmF2.5 : 干渉なし
ロシア製ジュピター 8 50mmF2 : 低速シャッターダイアルの目盛り部と干渉、使用できない
ロシア製インダスタール-26M 50mmF2.8 : 干渉なし
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いろんなレンズを試してみる
ズミタール50mmF2を ねじ込んだところです
ズマロン35mmF3.5に比べて 無限遠ストッパーが手前(レンズ前玉側)にあり 干渉は問題なしでした
左側のジュピター8 50mmF2は、レンズの距離リングレバーが ミノルタ35 IIBの低速シャッター速度ダイアルの土手に干渉して
残念ながらねじ込めませんでした
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シャッターボタンの受け皿
もうひとつ使いにくいところがあります
盃(さかずき)状の シャッターボタンの受け皿の径が小さ過ぎるのです
シャッターは シャッターボタンのストロークの最後のほうでリリースしますので
受け皿の径が小さいと どうしても人差し指を立ててシャッターボタンを押し下げることになり
これではスムースなレリーズが出来ません
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ミノルタ スカイ
昭和32年(1957年)試作だけで終わった悲運のレンジファインダーカメラ
ミノルタ スカイです
その仕様は
ミノルタ独自のバヨネットマウント、スーパーロッコール50mmF1.4付き
一軸不回転式無段階変速 布幕フォーカルプレーンシャッター B, 1~1/1000秒
採光式ブライトフレーム入り、パララックス自動補正の等倍ファインダー
と、ライカM3に勝るとも劣らないものとなっていたのです
昭和33年(1958年)アサヒカメラ7月号にミノルタ スカイの写真を発表しました
しかし1955年にミランダT型が発売され、もうこれからは一眼レフの時代だということで発売はされませんでした
同年10月、千代田光学は初の一眼レフミノルタSR-2を発売し アサヒペンタックスと共に日本の一眼レフの代表選手となって行くのです
コシナ製カラースコパー35mmF2.5を付けた ミノルタ35 IIBに、
後輩になるはずだったミノルタ スカイを見せてあげました
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■ 2015年8月19~20日 撮影
■ Micro Nikkor 60mmF2.8D mounted on Nikon D700
■ Speedlight ON
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こんなに綺麗なミノルタ35 IIBは珍しいのか camera-wiki.org に紹介されましたよ
http://camera-wiki.org/wiki/Minolta_35#Minolta_35_Model_IIB
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ミノルタスカイも実現させて欲しかったですね。
千代田光学→ミノルタ→コニカミノルタ→光学部門はソニーへとの流れをみると、
時代だなぁと感じます。
僕も久しぶりにバルナック型機が一台欲しくなりました、
でもソニーのαも欲しいのであります(笑)
マウントアダプター経由のオールドレンズ遊びも楽しそうですから。
高かったミノルタ35 IIB を無理して手に入れましたので 水だけ飲んで暮らさねばなりませぬ(涙)
本当は スーパーロッコール50mmF1.8か 一つ前のスーパーロッコール45mmF2.8(いわゆる梅鉢レンズ)も
欲しかったのですが、使用感バリバリのものでもミノルタ35 IIB よりも高価でしたので止めました。
ところで、コニカミノルタの光学部門の全員がソニーへ行ったわけでもなく
コニカミノルタは いまでも光学製品を造っているようです。
コンピューターの光学読取り装置のピックアップレンズは 世界の6割以上がコニカ製でしたが
今でも続けているのではないでしょうか。
バルナック型は、もうカメラもレンズも造っている会社がなくなっていますが
デジタル時代になっても レンズの需要だけは一定数ありますので なかなか値段は崩れないようです。
おっしゃる通り、レンズ遊びは 古いレンズほど面白いですもんねぇ。
素晴らしい状態のミノルタ35ですね!新品みたいです。
我が家のはシャッター幕が全部ダメで、一度も使った事がありません。(ニホン判も有り)
メッキもくすんでます(笑)
自分でシャッター幕の交換できればいいのですが、カメラ本体は怖くて手が出せません。
開発当時の社長の対談を読んだ事があるのですが、ニホン判からフォーマットを24×36に広げる際、元々設計に多少の余裕があったので削るだけで済んで助かった…という様な事を言っていました(笑)ダイキャストを再設計して…なんて事をやっていると費用も時間も掛かりますもんね。
フィルムを詰めて撮影されるのですか?
ありがとうございます。
今年の冬に友人と梅田を散歩したとき、梅鉢のスーパーロッコール付きのミノルタ35-Iの新同品を見かけて
それからというもの 綺麗なミノルタ35が欲しくて悶々としておりました。
わたしはカメラの分解をするとみんな壊してしまいますので、これはという機種については綺麗な機体を買うしかないのですよ。
梅鉢のスーパーロッコール45mmは「欲しいレンズのリスト」に載せておきます。
ミノルタのニホン判から 33.5mm判、34.5mm判に拡げて行った過程は有名な話ですね。
元々スプロゲットギアが7枚羽で 1回転で32mm送っていたのを 1-1/7回転させて33.5mmや34.5mm送りに改造したのです。
いいえ、フィルム撮影はやらないと思います。
もしスーパーロッコール45mmの梅鉢レンズを入手できても、きっとα7に付けてデジタル撮影です (^^)