わたしの大好きな一眼レフ


2017年8月24日(木曜日)

わたしが好きなカメラは 1970年頃までの 35mm一眼レフです

1970年頃と限ったのは 以降プラスティック外装の一眼レフが登場し始め
その少し後から どんな仕組みになっているか判らない いわゆる電子カメラが出てきたからです

ライカ等の レンジファインダー式カメラも使いました
が、このレンジファインダー式カメラのファインダーは
素通しのガラス窓に 二重像の距離計があるだけで ボケが見られないという弱点が致命的でした


今日は わたしの大好きな 35mm一眼レフを 年代順に紹介したいと思います





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HEXACON 1952年

ヘクサコンは 旧東独ツアィスイコンが1949年に発売開始した
世界初のペンタプリズム付き35mm一眼レフ コンタックス S の後継機種で コンタックス D です
1952年に 対アメリカ用にペンタ部にヘクサコンのプレートを貼って輸出されました

なんと言っても 動体撮影と縦位置撮影が困難だったウェストレベルファインダーを
見やすいアイレベルファインダーに変えたのは素晴らしかったと思います
この時代で B, 1~1/1000秒が付いてます

ミラーは シャッターを切ると上がったままで ファインダーは真っ暗、巻き上げで復元します


旧エルネマン社から引き継いだ ペンタ部のエルネマンタワーが誇らしげです

マウントはプラクティカ(= M42)を採用していました
写真では ずっと後の オート マミヤ/セコール 55mmF1.8 を付けています





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Exakta VX 1955年製

オランダ系の 旧東独イハゲー社が、ファインダー交換の出来る35mm一眼レフ
エキザクタ ヴァレックスを造ったのは1950年のことでした

その輸出ヴァージョンの エキザクタ VX は エキザクタ ヴァレックスと全く同一です

特徴は、ファインダー交換と T, B, 1秒~12秒の低速シャッター速度でしょうか
向かって左側の巻き上げレバー、シャッターボタンも 慣れれば問題ありません

レンズは カールツァイス イエナの ビオター58mmF2 が付いています





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Contarex 1959年

旧西独ツアィスイコンが 1958年に発表して1959年から発売した コンタレックスです

コンタレックス I 型とか コンタレックス ブルズアイと呼ばれるようになったのは 後継機種が現れてからです

特徴は、ペンタ部前面の 丸いセレン露出計でしょう
この露出計は 世界で初めて 絞りにもシャッタースピードにも連動するものです
向かって左側の 絞りのギアーを回すと ファインダー視野の露出計の指針がゆっくり動く様は
まさに 一眼レフの女王様の貫禄があります

写真のレンズは 西独オーバーコッヘンのカールツァイス製 プラナー50mmF2 です

ライカ1台で 家が1軒買えるという時代に ライカよりもずっと高価だったそうです





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Miranda S 1959年3月

1955年の 国産初のペンタプリズム採用の ミランダ T から 低速度シャッターを省いた ミランダ S です
ミランダ S は 1959年3月に発売されて、キヤノンフレックスやニコンFよりも わずかに早いです

日本製では最後の ノブ巻き上げの35mm一眼レフになります
ミランダ製の一眼レフの特徴は 全機種がファインダー交換可能というところです

その他、1/30秒でのシャッター音は ライカM3より小さな コトリという音です


レンズは、藤田光学製の ソリゴールミランダ50mmF2.8が付いています
藤田光学は 日本で初めてレトロフォーカスの35mmレンズを造ったことで有名です





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Nikon F 1959年6月

言わずもがな の ニコンF です

何も言うことがありませぬ





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MAMIYA Prismat NP 1960年

マミヤ プリズマット NP です

国産では、1952年と抜群に早くペンタプリズム採用の35mm一眼レフの試作を発表したマミヤでした

でもそれからモタモタして 実際に国内で発売されたのは、1960年の マミヤ プリズマット NP が最初です


外観も このモッサリとしたものでした

レンズは、エキザクタマウントの マミヤ/セコール 58mmF1.7 です
でもこのレンズ 残念ながら他社のエキザクタマウントのカメラに付きませんでした

わたし モッサリしたカメラも大好きです





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Canonflex RP 1960年

1959年の ミランダS(3月)と ニコンF(6月)の間に発売された キヤノンフレックスは
残念ながら クレーム返品の山で 3ヶ月で製造中止となりました

1960年になり、キヤノンフレックスの改良機として キヤノンフレックス2000 と この RP が発売されました
でも ニコンFに比べて優れるところは全くありませんでした

わたしの個人的な意見を言いますと
標準レンズの スーパーキヤノマティックR 50mmF1.8が 同時期の非Aiニッコールよりも
わずかに 後ボケの味が優れているかなぁと言う感じです





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PRAKTICA IV 1960年

1960年の プラクティカ IV です

ニコンFが完璧な自動絞りと ミラーのクイックリターンを実現しているのに
このプラクティカ IV は、半自動絞りと ブラックアウトです

メーカーは、旧ツアィスイコンが中心になって プラクティカを造った旧KWなどを吸収した
東独ドレスデンのペンタコン人民公社です

でかいペンタプリズムのカバーが魅力の外観以外は 見るものがありませんね

こんな プラクティカ IV ですが
ボディ前面のシャッターボタンをゆっくり押し下げますと
まず 半自動絞りが「カタッ」と 閉まって ファインダー像が暗くなり
その次に ミラーが「ポン」と 跳ね上がり、最後にシャッターが「チャッ」と 切れます

それぞれの動作で異なった音がして カメラが今なにをしているのかが判り 楽しいです

写真のレンズは、半自動絞りになって でかくなってしまった テッサー50mmF2.8 です





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ASAHI PENTAX S3 1961年

この1961年の アサヒ ペンタックス S3 から 旭光学も完全自動絞りになりました

このあと アサヒ ペンタックスは ミノルタSRシリーズと 一眼レフの国内販売数の首位を競って行きます

レンズは 完全自動絞りになった Auto Takumar 55mmF1.8 です





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KONICA FP 1962年

この時代なると 自動絞りなどは一般的になり いろんなメーカーが特徴を打ち出そうと懸命です
フィルムメーカーでもあった 小西六の1962年の コニカ FP です

日本最古の写真機メーカーの小西六の コニカFPの特徴は 金属膜シャッターの コパルスクェアの採用でした
昔から頑丈なカメラを造っていた小西六は 親・子・孫と3代が使える一眼レフを目指しました

外観はモッサリしておりますが 小西六のヘキサノン 52mmF1.8は評判の良いレンズでした
付けているレンズは ARマウントになるまえの ヘキサノンFマウントの52mmF1.8 です





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Canonflex RM 1962年

キヤノンフレックスのRシリーズの最後を飾るのは セレン露出計を内蔵した キヤノンフレックスRM です

ペンタプリズムを下げたというか、軍幹部の厚みを上げたというか 独特のフォルムです

向かって左側のシャッター速度ダイアルを回すと 内部の糸で右側の露出計の絞り指示板を回転させて
絞りとシャッター速度に連動する露出計としています

独特の外観で 忘れられない一眼レフになっています

レンズは 絞り込み測光で使える FL 28mmF3.5 を付けています





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MIRANDA automex II 1963年

きれいに掃除した障子を見ているような露出計は 1963年の ミランダ オートメックス II です

多くの日本の大メーカーが 一眼レフに参入するようになって
ごく小さなメーカーのミランダは苦戦し 市場を日本から海外に移します

ミランダ オートメックスは1960年に造られましたが
この 1963年のオートメックス II は、ASA感度の設定幅を大きくしただけのように思われます

レンズは Auto Miranda 28mmF2.8 ですが 製造した会社は謎のままです





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TOPCON RE Super 1963年

1963年の 忘れられない一眼レフ、東京光学の トプコン RE Super です

世界初の TTL(Through The Lens)露出計を スリットを切ったミラーメーターで実現しています
しかも 常に明るい開放測光になっており 世界中で大評判になりました

ところで このミラーメーターは 東京光学に東京芝浦電機が協力して造られたものです

それまでの トプコンR系の冴えない外観が こんなナウい姿になったのは
アメリカの東京光学の代理店 ベセラー商会の影響でした


写真の標準レンズ RE Auto Topcor 58mmF1.4 の 写りの良さも評判になりました
40年ちかく経って コシナが復刻版を造りましたねぇ





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minolta SR-1 1964年

1964年発売の ミノルタ SR-1 の 第4バージョンです

中学2年の時、わたしが死んだ親父に 梅田のウオジカメラで買ってもらった一眼レフです
就職するまでの8年間、ロッコール PF 55mmF1.8 と共にボロボロになるまで使いました

シャッター速度は B, 1~1/500秒までと 仕様は特筆するものは無かったのですが
丈夫で長持ちしたのと、レンズの世界初の緑色のアクロマチックコーテイングが自慢でした

残念ながら 写真のカメラ・露出計は 親父に買ってもらったものではありません
どちらも 就職してから再度買ったもです
ボロボロになった SR-1とロッコールPF55mmF1.8は 大事に保管しております

レンズは MC Tele Rokkor-QD 135mmF3.5 を付けています
正面から撮っていますので緑色が判りませんが すこし斜めから見ると「緑のロッコール」です





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YASHICA Penta J-5 1964年

1964年の ヤシカ ペンタ J-5 です

ヤシカ ペンタマチックのバヨネットマウントから M42スクリューマウントになった
J シリーズの最高スペックを誇る機種でした

と言っても、シャッター速度の1/1000秒と 向かって右側の CdS露出計が自慢な程度です


この ヤシカ ペンタ J-5 の特徴は そのフォルムが女性的で非常に美しいところだと思います
レンズは 後の Auto Yashinon-DS 50mmF1.8 を付けています





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KONICA Autorex 1965年

小西六が1965年に世に出した コニカ オートレックスです

このカメラは 外光式ですが国内最初のEE(いまのAE)カメラです
また フルサイズとハーフサイズの切り替えが レバーひとつで可能になっています

また このカメラからヘキサノンレンズは Fマウントから ARマウントに変わりました
シャッターは あの縦走り金属膜のコパルスクェアの新型 コパルスクエアSが装備されています

少しシャッターボタンのストロークが長いのですが 我慢できないほどではありません

小西六は後に フィルムワインダー内蔵のコニカ FSなど 楽しいカメラを造ります
とにかく ミノルタと共に 日本は惜しいカメラメーカーを失くしたものです





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OLYMPUS PEN FT 1966年

1963年の世界初の35mmハーフ判一眼レフ オリンパス ペンF の 第2弾 TTL露出計内蔵の ペンFT です

チタン膜製ロータリーシャッター採用で 1秒~1/500秒の全速度にストロボ同調し
横回転ミラーとポロミラーの併用で ペンタプリズムを省略して小型化を実現した
オリンパスの 故 米谷美久さん渾身の一眼レフだと思います

カメラとしての美しさも素晴らしいです

レンズは F. Zuiko Auto-S 38mmF1.8が付いています



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 ■ 2017年8月24日撮影
 ■ 1-Nikkor 18,5mm on Nikon V1
 ■ 絞り優先オート、絞り 開放F1.8、F2、F2.5

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紹介しましたカメラの他に 1970年頃までの金属製一眼レフは いっぱい持っております
また 機会をみて紹介いたします


【追加】2017年8月26日
1963年の トプコンRE Super を 忘れていましたので追加しました









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Commented by g_voyageur at 2017-08-25 00:18
こんばんは、素晴らしいコレクションですね。
今では、日本だけでなく世界の一眼カメラ史を語る上でも貴重な存在でもありますね。
Commented by nakajimaakira1948 at 2017-08-25 07:09
voyageur さん、おはようございます!

集めた古カメラは、レンズと共に時々動かしております。

古カメラの大敵は 低速シャッターの粘りですねぇ。
古レンズは カビが生えないように フォーカスリングを動かして 内部に新鮮な空気を入れています。
数が多いと結構大変なので 順番に いじくっています。

Commented by varifocal at 2017-08-27 16:11
こんにちは。

各メーカーのカメラを一覧にして見ると、メーカーのアイデンティティやコンセプトがそれぞれ形になっていて一目瞭然、非常に興味深いです。
今はどのメーカーも同じ様に見えますのでつまらないですね。

「形」って本当に重要だと思っています。センサー性能や画像処理能力ももちろん大事ですが、まずは「かっこよくて所有したいかどうか」だと思います。頭の中で自分がカメラを構えている姿を想像してキマッているかどうか?ですよ(笑)
車やオートバイも同じで、燃費や安全性能は良いに越したことはありませんが「運転したいかどうか」という、直感的な部分に触れる「形の物」でないと食指は動きません。
Commented by nakajimaakira1948 at 2017-08-27 20:34
想桜さん、こんばんは!

> 今はどのメーカーも同じ様に見えますのでつまらないですね。
全く おっしゃる通りですね

現在 デジタルカメラは、ニコンD700 と ソニーα7を使っていますが
これらは35mmフルサイズ機を使いたいが為に購入したもので 「かたち」はどちらも気に入ってはおりません。
「かたち」で気に入っているのは ニコンV1 ぐらいでしょうか。

自動車は、乗り始めて かれこれ45年ほどになりますが
乗った車で気に入ったのは マツダ・キャロルとニッサン・マーチぐらいでしょうか。
女房が勝手に決めて来た今の車は 車の車種名さえ知りません。

オーディオ機器もそうですが、現在の日本製品のデザインは真似しが多すぎるように思います。
わたしは カメラ・自動車・オーディオ製品などは すべて格好で決めてきました。

今回の 古い一眼レフで言えば、海外製ではプラクティカIV 国内製では マミヤ・プリズマットNP あたりの
モッサリしたカメラが大好きなんです。
なんか 紙で作られた自動車のトラバントを思い起こすのです。

Commented by varifocal at 2017-08-28 19:04
再びこんばんは。

トラバント!!
新婚旅行で行ったドイツのライプチヒ駅前で普通に走っているのを見ました。
「おおぉ~!トラバント!!」って感動しました。
さすがに西ドイツ圏内では走ってませんでしたが・・・。
段ボールに樹脂塗り、他の国では恐ろしくて思いもつかないでしょうね。

格好良ければ多少性能が他の製品と比べて劣っていても問題ないですね(笑)
形って大事です。
Commented by nakajimaakira1948 at 2017-08-28 20:00
想桜さん、こんばんは!

日本では「段ボールに樹脂を塗りたくったボディ」と いわれましたね。
トラビの外装は FRP(Fiber Reinforced Plastic = 樹脂補強プラスティック)でしたので
段ボール + ポリエステル樹脂で 本当に紙のFRPでした。

確か 日本のスカイラインGTRと 0~400m加速で トラバントが圧勝した動画が残っているはずですよ。
かたち良ければすべて良し なんですが、構造上 日本では車検の受験が許されなかったのです。

消えてしまったトラバント、ミランダ・トプコンなどの一眼レフと同じだったですねぇ。

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by nakajimaakira1948 | 2017-08-24 20:23 | 18.5mmF1.8 1-Nikkor | Trackback | Comments(6)

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