2010年 02月 07日 ( 1 )

コンタレックスのこと

2010年2月7日(日)

コンタレックスのことを書いてみたいと思いながら なかなか書けないでおりました。

1975~80年ごろからではないかと思います。
古いカメラに興味を持ちはじめ JR大阪駅まわりの中古カメラ屋さんを覗いてまわるようになりました。

そのころ中古カメラ屋さんの一眼レフの棚で、ひときわ大きく ピカピカと輝き 存在感のあるカメラがありました。
レンズの上に丸い窓があり 窓にはハチの巣のようなブツブツがあり 「一つ目の怪獣」が吠え立てているような威厳がありました。
家に帰って「クラシックカメラ専科」で調べて ツァイスイコンのコンタレックスというカメラだと知りました。

でもその頃はお金もないし 高価なカメラの代表だったライカM3の2倍(ちょっと言い過ぎ)近くもするようなコンタレックスを
自分のものにするという気持ちはありませんでした。

それが ・・・





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Contarex

コンタレックスとは こんなカメラです。
コンタレックスちゅう名前は ツァイスイコンのコンタックスの王様(レックス= rex)という意味から来ています。

まず誰でもレンズの上の丸い窓は何だと思いますね。
コンタレックスのニックネームはブルズアイと言って 射撃やダートの射的の丸印のことや 建物の円形の明り取り窓のことです。
やはりどこの国の人々でも 丸い窓に注目し こんなニックネームが付いたのです。

何でカメラにニックネームが要るのか?
1958年に西独ツァイスイコンから発表され 1959年に発売されたコンタレックスは
のちに 1967年のコンタレックスS型、1968年のコンタレックスSE型に発展してその寿命を終えました。
コンタレックス ブルズアイは、S型、SE型が発売されてから それらと区別する意味で
コンタレックス I 型 とか ブルズアイと呼ばれるようになったのです。





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丸窓

この丸窓は セレン露出計の受光窓なのです。
窓には 暗いときは取外せるハチの巣状のフィルターが付いています。

コンタレックスのセレン露出計は、絞りにもシャッタースピードにも連動して動きます。
コンタックスE型が 世界で始めて露出計を搭載した一眼レフでしたが非連動でした。
このコンタレックスは 世界で始めて連動露出計を搭載したのです。

わたしのコンタレックスは 製造後50年を越えて セレン露出計は正常に動きます。





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絞り調節ギア

レンズには絞りリングはありません。
カメラに向かって 丸窓の左側のギアが絞りを調節し 絞り値は丸窓の上に表示されます。
この特殊な絞り調節機構のため コンタレックスの優秀なレンズは他のカメラに使うことはできません。

ところで この絞り調節ギア、使い勝手はどうかと言うと 全く良くありません。
ファインダーに見える情報は 露出計の針と適正露出指針が見えるだけですので
ファインダーを覗きながらギアーを回して適正露出に合わすと どこまで絞ったか判らなくなるのです。

通常の一眼レフでもファインダー情報の無いカメラでは 絞りをどこまで絞ったか判らないのですが
鏡胴の絞りリングを開放から何段回したか クリックの段数で判りましたから。

どこまで絞ったかは、ファインダーから目を離して 丸窓の上の窓を覗かなくては判りません。





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Planar

標準レンズは Planar 50mm F2 です。
ねっ、絞りリングが無いでしょ。

雰囲気を良く出すレンズで、朝に女房を撮ったら 朝の空気が写っておりました。
ひひひ、フィルムスキャナーを買ったら その写真をお見せしま~す ← いつになるのやら (涙)

標準レンズには、1961年から Planar 50mm F1.4 も加わりましたが非常に高価でした。
その他、ディスタゴン35mm F4 でもなんでも とにかく交換レンズが高かったです。
そんな訳で コンタレックスを手に入れて20年以上 わたしは50mmF2のプラナー1本だけで~す (^^)





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巻き上げレバー部

巻き上げレバーは シャッター・ボタン、シャッタースピード・リングと DIN(ASA=ISO)設定リングと同軸です。
シャッターボタンは重く、とても重いボディ(940g)でなんとか手ブレを防いでいます。

フィルム・カウンターは手動の逆算式で 同時期の日本製一眼レフに遅れをとっていますね。

ところでフィルム・カウンターの下のローレット(ギザギザの部分)の加工を見てください。
同時期の ライカM3の巻き戻しノブのローレットは、ただローレットになっているだけで
オモチャのように粗末なものですが コンタレックスのローレット加工は素晴らしい出来です。
35mmレンズシャッター一眼レフのコンタフレックスのローレット加工も素晴らしいですが
この時期のツァイスイコン西独の加工技術の素晴らしさを物語っております。





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チン

もうひとつ自慢?できるものに 巻き戻しクランクを出したときの音があります。
チンという良い音がします。

デュポンのライターを開けたときにする チーンという音に似ています。
わたしは後の コンタレックスSや コンタレックスSEの音は知らんのですが
最近見たどなたかのブログによりますと このブルズアイだけがチンの音がするらしいです。

写真ではボケてよく判りませんが、巻き戻しはクランクを使わずに大きなノブを回してでも出来ます。
そのために やはり素晴らしいローレット加工がなされています。





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レンズ嵌め(はめ)合い

レンズの嵌め合いは コンタレックス専用のバヨネットマウントですが
加工精度が良過ぎて ちょっとでもずれると嵌りません。
そのかわり 取り付けたあとは微動もしません。
むかしのニコンFでも レンズを取り付けたあとグイと回しますと わずかですがガタで動きました。

丸窓の上の黄色い切り欠き部分は 絞り読み取り窓です。
下段の小さな灰色の丸窓は ファインダー露出計の明かり取り窓です。
ペンタプリズム横の切り欠きは 露出計の外部読み取り窓です。





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もう一度

もう一度 コンタレックス全体を眺めてみます。

「標的」「射的」「丸窓」がニックネームのコンタレックスですが わたしには 「一つ目怪獣」に思えました。

1987年に 長期出張していたイラン・イラク戦争中のイラクから帰国して
生きて帰れた記念に(ははは、ウソです) 米国のWoodmereという中古カメラ屋さんから個人輸入しました。

使ってみて判ったことは、精度が良過ぎて使いにくいが マニュアルどおりの操作をすれば
良く写るし いつまでも正確に動きそうな機体であるということでした。

コンタレックス I 型の仕様

■ 35mm一眼レフレックス
■ ペンタプリズム固定 スプリットイメージ・マイクロプリズム (周辺は空中像)
■ シャッター: 布膜フォーカルプレーン B, 1 ~ 1/1000秒 セルフタイマー付き
■ セレン露出計内蔵 (絞り・シャッター速度に連動)
■ クイックリターン・ミラー (巻き上げで絞りが開放になる) ミラーアップ可能
■ 幅140 x 高さ86 x 奥行83mm 940g(ボディのみ)
■ 交換レンズ: 18~1000mm
■ アクセサリー: 交換マガジン、マグニファイアー





おまけ
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現代のカメラと並んで

コンタレックス 「きみは、この家に来て何年になるの?」
ニコン D80  「はいっ、2年ちょっとになります」
コンタレックス 「ワシは、その10倍になるけんど このところ使ってもろうてないわい (涙)」
ニコン D80  「やっぱりカメラは 使いやすくないですと ・・・」
コンタレックス 「やかましい、オッサンも定年したら フィルムスキャナー買うて また銀塩やると言うとった」





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  撮影データー
■ 2010年2月6日(土)
■ D700 + Micro 60mm F2.8D
■ 絞り優先オート
■ ISO800~1600
■ 露出補正 -1/3EV ~ -1.3EV

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by nakajimaakira1948 | 2010-02-07 17:56 | 60mmF2.8D AF Micro | Trackback | Comments(46)