壊れた ペトリフレックス 7 と ペトリ V6
2020年 04月 19日
囲碁対局を見たあと、何もすることがないので ペトリフレックス 7 の 再修理に挑戦しました
が ・・・
1
Petriflex 7 & Petri V6
壊れている ペトリフレックス 7 と 健全な ペトリ V6 です
1964年製の ペトリフレックス 7 は、一見して ツァイスイコンの コンタレックス ブルズアイ そっくりで
デザインをパクったのが 一目瞭然ですねぇ
ペトリフレックス 7 は、露出計内蔵で シャッタースピード B、1秒~1/1000秒を持つ
ペトリの一眼レフの最高級機種で いま手に入れようとすると かなりの高額が必要なようです
この ペトリフレックス 7 は 2015年に壊れてしまって 今年で5年になります
病状は、巻き上げレバーが回らず ミラーが上部に上がりっぱなしという状態です
一方の 1965年製の ペトリ V6 は、冬場でこそ 1/30秒以下のシャッタースピードで時々ミラーが戻らなくなり
次の巻き上げでミラーが降下してくるという癖がありますが
夏場は 1/2秒~1/500秒まで ミラーもちゃんと戻る 完動品です
これは、普通の一眼レフでは ボールベアリングを使う所を 潤滑油で済ましているためと読んだことがあり
ペトリ V6 の 持病みたいなものらしいです
とにかく、発売当時は 本体と55mmF1.8レンズに 革ケースが付いて 2万3千800円の超安値だったのです
壊れたのが ペトリフレックス 7 でなく ペトリ V6 だったら良かったのにと想像するのは
貧乏人の考えることですねぇ
2
1本シャフト
底ぶたを開けてみます
一番手前のギアーは 巻き上げレバーに直結しています
巻き上げレバーの垂直の回転が ベベルギアーで水平回転になり この1本のシャフトに伝わり回転させます
シャッターボタンを押すと、シャフトがバネで元に戻るのですが
ミラーの跳ね上げ・自動絞りの起動・シャッター膜の作動・フィルムカウンターの前進などを
このシャフト1本で 一気に行うのです
これは 世界中でペトリだけの特殊な構造です
巻き上げレバーが回らないというのは、
普通の一眼レフでは 巻き上げレバー直結のギアーと その次のギアーあたりの噛み合いが悪い場合が多く
細い木製の棒などで ギアーの噛み合わせをずらしてやると治ることが多いです
わたしは この方法で アサヒペンタックスSP や ヤシカFT の 巻き上げ不良を治しました
でも ペトリは手ごわいです
治りません
じつは 今までに数回同じ方法で挑戦してみたことがあるのです
今回は 完動品のペトリV6のシャフトの動きを参照して挑戦したのですがダメでした
2時間ほどで諦めました
これ以上は、軍艦部のカバーを外して 内部機構をバラさなければなりません
自慢じゃありませんが、わたしは軍艦カバーを外して行った修理は 100%全部失敗だったです
3
Industar 50-2 50mmF3,5 on Petoriflex 7
また ペトリフレックス 7 を 不調カメラ保管棚に戻すまえに
ペトリ純正の M42⇒ペトリ の マウントアダプターを使って ロシア製インダスタール50-2 50mmF3.5 を
ペトリフレックス 7 に付けてみました
小さな インダスタール50mmF3.5 が ペトリフレックス 7 に 良く似合っております
同じスピゴット式マウントですが、キヤノンはスピゴットの筒部が レンズ鏡胴側に付いていますが
ペトリは ボディ本体にスピゴットの筒部が付いているため 細身のレンズしか取り付けられないのです(涙)
この写真を撮ったあと、哀れなペトリフレックス 7 は ポリ袋に入れられて 不調カメラ保管棚へ戻って行きました
4
Petri V6 with Petri CC Auto 55mm F2
ペトリ V6 前期型 ペトリ CC Auto 55mm F2 付きです
ペンタプリズムのカバーが 思い切り前方に付き出していて 相当な「おでこ」です
でも かっこええです
ペトリは ペンタプリズムのカバーに 革を貼ったりして型番を変えていましたが
ペトリ V6 のまえの V2 や V3 と ペトリV6 は 全く同じカメラでした
標準レンズも 4群6枚の ペトリ CC Auto 55mm F1.8 が 元のレンズで
この 55mm F2 レンズは 55mmF1.8 に 明るさを制限するリングを入れたものでした
前の機種を買ったお客さんが「なんで同じレンズなのに安く売るのか」と 怒らないように
コストをかけて暗いレンズを造っていたわけです
そんなペトリ(栗林写真機械製作所)も 1977年に倒産してしまいました
ペトリに幸あれ
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■ 2020年4月19日 撮る
■ 1, 3 & 4枚目 AF Micro Nikkor 60mm F2.8D on Nikon D700
■ 2枚目 1-Nikkor 18mm F1.8 on Nikon 1 V1
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ボディ前面に付いたシャッターボタンを押すと
ガチャンという大きな音とともに フィルムカウンターが1コマ分進みます
ううむ、こんな一眼レフは ペトリだけです
完動品のペトリ一眼レフをお持ちの皆様へ
ペトリの一眼レフは 寒さに弱いのです
もし ミラーが上がりっぱなしなったり シャッターが途中で止まっても
あわてずに あなたのヘアードライアーで 優しく暖めてあげましょう
きっと あなたのペトリ一眼レフは 息を吹き返らせることでしょう
ペトリに幸あれ!
-
ペトリの一眼レフの修理は難しいですね。
私も過去何台かチャレンジしてますが、成功率は低く、ネジなどの部品取りになってます。
グリスやサビでシャフトやギヤが固まっているのか?巻き止めの解除ができていないのか?・・・ペトリは色々怪しい部分があって、分解するのは結構危険という認識です。構造や材質が心もとないのです。
原因を探るのはトップカバーを外す、貼り革を剥ぐなどの作業が必要になりますし、それをやっても直るかどうか分からないのがペトリです。なのでやらない方がいいと思います。動くやつが安く買えますので(笑)
記事を拝見して、ひょっとしたら、貴方のフレックス7(以下「F7」という。)は直るのではな
いかと思い、書き込みさせていただきます。
原因として考えられるのは、シャッター幕が最後まで走り切れず、ミラーが降りないことです。
原因は、シャッター軸その他各部の潤滑不足です。貴方のF7ももしかしたらこれではないか、
と思ったわけです。この場合、シャッター幕が途中で止まっているはずです。そうであれば、いさ
さか荒療治ではありますが、これを指で押して閉じ切らせれば、ミラーが降ります。シャッターリ
ボンを切らぬよう、マウント側とフィルム室側の両方から指を入れて、前後の指の力を相殺するように
幕を指で挟みながら慎重に走行方向にシャッター幕を押していくと、カチッと音がして、ミラーが降り
れば、巻上げレバーが巻けるようになります。あらかじめ底板を開け、カムシャフトの軸受部や摺動部、ミラー昇降用のクランクなどに、希釈油等をごく少量注しておけばなお良いです。うまくミラーが降りたら、
何度かゆっくり巻上げ、レリーズを繰り返して様子を見てください。
以上の修理法は、当然のことながらシャッター幕が走り切っていない場合にのみ有効な修理法です。
蛇足ですが、当方、F7を持っていないのですが、FTと同じ構造なら、マウント右脇の貼り皮を剥がすと、
板状の部品があります。それを外すとシャッター幕軸に注油できます。
ペトリはご指摘のとおり、ベアリングではなく油の潤滑に頼っている面があり、潤滑不足が故障原因で
あることが多いのです。また、ペトリは、故障すると、全く動かなくなるため、トラブルシューティング
が難しいですが、わかれば、かなりの確率で何とかなります。
当方は全くの素人であり、以上はあくまでも素人修理の範疇での経験に基づくものですので、やる場合は
自己責任でお願いします。一般的にはシャッター幕を指で触るのは禁じ手とされており、お勧めするものではありませんが、こういうことで直ることもある、ということでご紹介した次第です。
参考:petri@ウィキ」
https://w.atwiki.jp/petri/
はいっ、ペトリの修理は難しいです。
構造が普通の一眼レフとは まるで違いますから。
このフレックス7は、巻き上げレバーが動かなくまでは 結構滑らかに動いていたのですが・・・。
またしばらく不調カメラ棚に保管しておいて 気が向いたらまたいじくることにします。
でも今回気付いたのは わたしの眼のローガンの進み具合です。
今度いじくる時までに ローガンがどこまで進んでいるか これも問題です。
底ブタを固定していた 小さなビスを1個なくしました(涙)
ありがとうございます。
記事中には書いておりませんが、センターシャフトを指で回しているとミラーは戻りました。
シャッター膜は 切れているものと思います。
左肩にある巻き上げ確認窓の色は赤になっています。赤はシャッターを切ってくれの合図です。
巻き上げが出来ないのに ready for Shutter は おかしいですね。
シャッターボタンは 押し込まれた状態で動かないようです。
シャッターが切れないから 巻き上げも出来ないという状態ですねぇ。
逆かも知れませんが・・・
いろいろご教示頂き、本当に ありがとうございました。
だとすると、ますます、シャッター幕が走り切っていない可能性が高いですね。
一見、走り切っているように見えて、走り切るギリギリのところで幕が停まっている
ケースは結構多いのです。押し込まれた状態で固まっているシャッターボタン、という。
のも、その可能性を示唆します。なぜなら、ペトリフレックス系(F7,FT,FT2)
の一眼レフは、巻上げが完了した状態の時しかシャッターボタンは押せないようになって
いるからです。レリーズ時に押し込むと、そのまま押された状態で固まってもおかしくない
からです。
なお、当方はF7を所有していないので、以下は推測になるのですが、「 ready for
Shutter 」を表示させる機構は何に連動しているかによるのですが、ペトリV6のフィルム
カウンターのようにミラーの昇降に連動する機構になっているとすると、カムシャフトを
手で回してミラーを降ろしたときに、「ready for Shutter 」に切り替わった可能性が高い
と思います。そういう機構でないなら、また別の原因なのかもしれません。いずれにしても、
想像するよりは軽症のような気がしてなりません。シャッターリボンが切れていれば別ですが。
その場合、ペトリに限りませんが、レリーズが引っ込んだまま動かないことが
起こりえます。
この場合も荒療治になりますが、セルフタイマーを0時方向へやや力を入れて押して
みてください。うまくいけば、レリーズが切れて、シャッター幕が走行するかも
しれません。セルフタイマーが原因だとすると、シャッター幕が走り切っていないの
ではなく、そもそも走っていないことになります。
https://w.atwiki.jp/petri/pages/134.html
ではなく、そもそも走っていないことになります。”と書きましたが、ちょっと
言い過ぎかもしれません。シャッター先幕が走行を開始し、後幕が走行を開始するか、
走行後走り切るまでの間にセルフタイマーが固まる可能性も否定はできないから
です。
無理して壊してもいけないでしょうから、あくまでもご参考ということで。
セルフタイマーは正常だと思います。
セットして開始ボタンを押すと最後まで回ります。
セルフタイマーのレバーを停止位置より1時側に押してみましたが 反応なしです。
ありがとうございました。
また 底ブタを開いていじり回しておりました。
突然に小さな金属片が ころがり落ちました、よく観察すると小さなツメの割れたものでした。
ああ~、きっと巻き上げ禁止を解除するツメが割れて出て来たんだなぁと思います。
もし この推測が当たっていたら 修理は不可能だなぁと考えます。
哀れな ペトリフレックス7は、またまた不調(不良?)カメラ保管棚に戻りました。
もう このカメラの修理に挑戦することもないでしょう。
あとは シルバーの ペトリCC55mmF1.8をどうするかです。
ムック社から ペトリレンズ⇒NEX の マウントアダプターが発売されているけれど
1万円もします、どうしようかなぁ。
不思議ではないですけど、よほど無理して動かしたか、経年によるものでない限り、故障に直結する
ことは少ないというのが私の印象なのですが、それはともかく、残念ですね。
もう修理には挑戦しないということなので余計なお世話なのですが、2枚目の画像(カムシャフト等が
写っているもの。)をよく見ると、巻上げ機構の逆転防止用ラチェットギアに掛かるべき爪をギアに
押さえつけるためのバネが外れて、爪がラチェットギアから離れているのが分かります。これが故障
原因かどうかはわかりませんが、ご参考までに。もしかして、外れた部品とは、これではないですか
ね?
Petri@ウィキの「ペトリ一眼レフの機構」に、F7とほぼ同じような構成と思われるFT2の底部の画像
が載っています(蛇足ですが、直列ドラム配置に関する記事及びフィルムカウンターに関する記事は私が
書きました。)ので、うまくいけば、外れた部品が特定できるのではないでしょうか。
https://w.atwiki.jp/petri/pages/61.html